2010/04/30(梨) ナイト

ただレコードを聴く
ということをしているひとは
たぶん世の中にけっこういるのだろう
けれども
わたしはずっとそれをしなかった。
こうしてきっかけがあって
誰かがすばらしい音楽を紹介してくれる。
ふしぎと、そうして出会ったものは
時間をおかずに自分のまわりに
ふたたびあらわれる。
いかにわたしのうえを
自分で気づかないあいだに
たくさんの音楽がとおりすぎているのか
がつんとつきつけられる。
そもそもきっとなんでも
ひとにおすすめされるのがすき。



2010/04/29(藤) さざえ

いちまいの絵を背にして
その絵をじっさいに
描いているのはひとりでも
そこに音をのせて
みんなで描いているような
すてきなイベントだった。
それにしてもどこへいっても
さざえと呼ばれ続けていて
ついにお店の伝票の
人物の特徴を書く欄に
サザエ
と書かれるまでになる。
こういうことがおきるたびに
さざえさんの知名度を思い知る。
さざえさんを知らないひとがいないから
こんなにも言われているのです。



2010/04/28(ゆすらうめ) 雨あがる

それにしてもよく降った。
こんな雨の日に
昨日からたけの長い服を着ていて
帰り道の最後にはもう
水を吸って重たい服がすごいことに。
服の選択はたいせつだ。
歴史の本はたのしいのだけど
いつまでも覚えることができず
学生時代の記憶もすっぽりとなくして
すっかりうとい。
幕末ブームのただ中にいるひとたちの
話をきくうちにすっかり
読みたくなっていた本が
すんなりと手元に舞い込んできたので
ここぞとばかりに読み始める。
これでみんなの話についていけるだろうか。
先はながいぞ。



2010/04/27(カモミール) セッション

今日は記念すべき
アイリッシュを合奏したはじめての日。
じつはまわりに少しずつ
アイリッシュがはやりだしていて
たった三人だけれど
とてもたのしかった。
来ていたひとたちを勧誘して
もうちょっとにぎやかになったら
アイリッシュダンスホールになる日も
そんなに遠くはないのかも。
お酒がすすむすばらしい音楽。
じゃがいもにもとてもよくあいます。
やるぞ!



2010/04/26(スイートピー) 復活祭

右手の親指を骨折していたひとの
復活ライブがあった。
ぶじギターを弾きながらうたっていて
この数ヶ月をみていたものとしては
ようやく自然なかたちにもどったように見え
やっぱりうたとギターがセット
なのだねえ、と
となりのひととうなずきあう。
そして、いいとかわるいではなく
前とはうたもギターも全然ちがう。
きっとちがうバランスにかわった。
からだを使うものだからね
と言ったひとがいたけれど
こうして時間が経っていくにつれ
いろんなきっかけで
音楽がかわっていくのだろうとおもう。
それを外側から眺めていて
きっと自分にもそういうことがある
とおもったら
なんだかとてもたのしみになった。
演奏する三人はみんな
とてもよくしっている三人で
でもとてもあたらしかった。
最後にすこし混ぜてもらって
前からみたらお客さんたちは
みんな笑顔だった。
すばらしい!



2010/04/25(美女撫子) かたまる

ひとりでカウンターに座って
ごはんをたべていたら
いくつか席をあけたとなりに
すわっていた小学生くらいの男の子が
視界のすみで感じるかぎりまったく
微動だにしない。
ふとみると
背筋をのばしてすわったまま
すやすやと寝ていた。
しかもくちがあいていた。
器用だなあ
こどもはどこでも寝るからな。



2010/04/24(コデマリ) あおやま

おおでまりの枝を背に
ささやかなうたをうたう。
なんだか見慣れないひとたちと
肌寒い春の夜。
ずいぶんひさしぶりのひとに会えたり
にぎやかな夜。
ことばはすごいなあ
誰がどこにひびくのか
ほんとうにそれぞれなのに
みんな自由にあやつっている。
そういえば観て感激した映像を
つくったひとにようやく会えて
すばらしかったとつたえた。
ずっといいたかったのだった。
六本木通りは幅がひろくて
意外とそらもひろい。



2010/04/23(ローズマリー) それが問題だ

季節にあった音楽を聴きながら
雨にぬれ
もくもくとあるいていたら
気分がもりあがってきたので
ひさしぶりにCDを買った。
わくわく。
ふしぎな場所にある
ちいさなバーにいったら
飲みにいくところにしては
いつになく同年代のひとばかり。
話がみぎひだりに行き来して
なんだかふしぎだった。
ころんで顔をすりむいたひとが
ひげを剃れない
と言っていて
しかもひげがじゃまして
なかなかかさぶたが定着しないらしい。
もしこれが
ひげの上から、けが
だとしたら
もうちょっと軽症だったのかも。
ひげが先か傷が先か
それがわかれめだった。



2010/04/22(やまつつじ) こぶし

こぶしがこぶしだと気づいたら
あちこちにこぶしが咲いている。
そういうのはよくあって
オリーブがオリーブと気づいたとたん
街路樹にもなっているし
植え込みにもはえている。
それにしても
携帯電話がなかなか帰ってこないなあ。



2010/04/21(みやこわすれ) リハーサル

最近ひとりでの練習がおおくて
たまにひととスタジオに入ると
あたりまえだけれど
自分のしたことに反応があるのだ。
バンドだけでやっていたときとは
前提がちがう。
それが音楽にもたらすものが
きっとあるのだとおもう。
練習後どようびの
演奏させてもらうお店におじゃますると
お店のなかに八重桜がささっている!
もとはお花屋さんからはじまっているバー
すこし前まではソメイヨシノで
次はおおでまりなのだって。
花のかざりかたがダイナミック!
すっかりこころをうばわれた。



2010/04/20(シバザクラ) 藤見

やっぱり藤見はむずかしいなあ
しとしと雨のなか藤棚をみると
ぜーんぜん咲いていない。
しかもあろうことか
鳩がぽぽーといいながら
藤のつぼみをどんどん食べている。
いけません!
あきらめきれず浅草から
亀戸に移動してみたけれど
やっぱりぜーんぜん咲いていない。
おばあちゃんの言う通りだった。
いまの墨田区は
どこからみてもスカイツリーがそびえたっていて
去年はなかったものだから
見かけるたびに
おお、ここにも
となった。
ほんとうは立石にのみにいこう
と言っていたけれど
そういう雰囲気にもならず
戻っていつものもつやさんへ。
ひさしぶりでとってもおいしい。
サザエのわたしをみた大将が
韓国ではアットマークのことを
さざえマークっていうらしいですよ
といった。
しらなかった!



2010/04/19(矢車菊) まわる

ふと床に目をやると
どうやらわたしがけとばしたらしい
鷹の爪がひとつ
こまのようにくるくる回っていた。
あまりにうつくしい回りっぷりに
ひやー!
声にだして言ってみた。
それくらいおかしな画だったのに
このおかしみをひとにつたえることは
たぶんできない。
目の前で鷹の爪をまわしてみせても
それはちがうのだ。
ああ。
お花見師匠のおばあちゃんが来たので
明日、藤をみにいくけど、どうかしら
とたずねると
全然まだでしょ
きっぱりと言われてしまった。
やっぱりまだかなあ。



2010/04/18(あかつめくさ) 即答

ちかくでポケモンの撮影会をしていたらしく
わたしはそれをしらなかったのだけど
通りがかりにそれを見かけたらしい
目の前のひとがふと
あのピカチュウのとなりにいるのは誰だろう
青い、スズメみたいなの
といった。
いかんせん見ていないので答えようがなく
じゃあ、あとできいておきます
と言っておいて
そのへんにいるこどもに
その青いのはなんていう名前かおしえてくれる?
ときいてみた。
ポッチャン!
一瞬の迷いもなくこたえがかえってきて
こちらもびっくりしてしまい
ぽっちゃん?
とおうむがえしにきくと
そばにいたおかあさんが
ポッチャンだよねー
と娘を援護するように言った。
てっきり鳥を連想する名前なのだと
勝手におもいこんでいた。
おもいこみはいけないなあ
すんなりとした理解を邪魔する。
一連のやりとりをふかく反省しながら
ポッチャンという名前だそうです
と報告すると
ポッチャン?
てっきりチュンとかバードとか付くとおもった
と目の前のひとが言った。
ああ、ここにも思い込んだひとがいる。
しかもあとであらためて見てみたら
スズメじゃなくてペンギンだった。



2010/04/17(わすれなぐさ) とり

ものわすれがはげしいのは
いつものことなのだけれど
たとえばなにかを考えていて
3歩もあるけばもう
今なにを考えていたのかわすれてしまう。
それでこのところ
一日中まんべんなく歌詞やメロディを
かんがえてはかきとめているのだけれど
手元にすぐメモがないときは
3歩あるいてわすれてしまう。
そういうのほど
いまのはよかった気がするのに

がーんと上をむいてくやしがる。
ほんとうによかった
かどうかはわからないけれど。



2010/04/16(アネモネ) ふゆだ

今日はみんなきっと
ふゆだ
とか
はるなのに
とか
一度はつぶやいたのだとおもう。
うっかり咲いてしまった八重桜が
いや、タイミングはあっていたとおもうけど
冷たい雨にさらされてさむそう。
そういえば藤はどうなっているだろう
いつも見頃がむずかしい藤
このさむさではますますわからないぞ。



もどる