2005/08/31(野菜の日)おじいさんたち

一年前にふらりと入ってすっかり気に入った
四ッ谷のペルー料理やさんにふたたび行った。
なんでもかんでもおいしくて
もりあがっているところへふたりの
常連さんらしきおじいちゃんたちが入ってきた。
となりの席にいたふたりは
ひょんなことからわたしたちの会話に混じり
そこからはふたりの独壇場だった。
というのはへんかもしれないけれども
とにかくふたりは二段構えのポジションで
同時に別々のことを大声でよく喋った。
おじいちゃんは70歳で、恋人は27歳
南米では歳は関係ないんだって。
もうひとりのおじいちゃんとともに出身高校が
わたしの弟と同じだったり
店員さんと出身大学が同じだったりして
校歌を歌ったりえらい騒ぎになってしまった。
そして結婚するなら官僚だ!と
きっぱり言い切った。
ふたりとも話が尽きない中
わたしたちはそっと席を立った。
なんだかおかしな展開だったけれど
ちょっとおもしろかったな。



2005/08/30(冒険家の日)ドライブ

運転でちょっとした遠出も板についてきた。
でもやっぱり鳴るクラクション全部
自分に向いているような気がしてこわい。
ひさしぶりの学校に荷物をとりにいったり
おともだちの働くところを見にいったりすると
みんなの姿が遠くてふしぎ。
そしてすこしうれしい。
おやすみを休みらしく過ごしている今日このごろ。



2005/08/29(ケーブルカーの日)うみ

なんだかんだとごたごたして
よくわからなくなってしまった。
でもとてもよい天気で
風がとても気持ちよくて
いい日だった。
とにかく打開策を考える。



2005/08/28(気象予報士の日)くしくも

今日はいちにちのあいだに
人とほとんど同時にまったくおんなじことばを喋る
ということが三回もあった。
べつべつの三人と。
そういうちょっとした特別なことは
たいていはたてつづけに起きてから
ぱったりと起きなくなる。
でもちょっとおもしろかった。
ともだちたちのライブにあそびにいったら
ずいぶんひさしぶりのひとに会えて
はしゃいでしまった。
いいねぇ。



2005/08/27(日本に原子の火がともった日)ごはん運

わたしがたまにおもいつきで早く家に帰ると
必ずと言っていいほど、ばんごはんが
いま出来上がってさあたべるぞ!
というタイミングで着いているらしい。
母はため息まじりに
あんたはいっつもそうねぇ
と言った。



2005/08/26(人権宣言記念日)ゆめ

エレベーターから降りてきた作業着のお兄さんが
困った顔をして、わたしに
つまっちゃったんですよねぇ
といい,なんだろうとおもうと
業務用のおおきな掃除機のノズルをかぱっとあけた。
すると中からカブトムシが!
というような夢をみた。
わけがわからなすぎてびっくりした。
でもよくよく考えてみると
その日に,カブトムシと掃除機の心当たりが
別々にだけれどあった。
夢ってそういうものかもしれないけれど
どうしてくっついちゃったのだろう。



2005/08/25(即席ラーメン記念日)かばん

かばんの中に入れておいた鉛筆を
ふと取り出したら
まっぷたつに折れていた。
なんだかショックだったので
そっとくっつけるようにもう一度しまった。
事態は良くならない。
台風にも負けずに、夜には
おいわいをした。
よろこんでもらえるとうれしい
という気持ちが人間にあるのはすてき。



2005/08/24(大噴火の日)かご

駅前にひょいと自転車を置くと
帰る頃にはかごにゴミが投げ入れられている。
それは新聞や雑誌だったり
食べかすだったり
よくわからないなにかだったりする。
わたしはそれを発見すると
わざわざ捨ててあげるのがくやしくてほうっておく。
するといつのまにかなくなっていることが多い!
昨日も、一昨日入っていた巨峰サワーの缶を
入れたまま朝置いていったら
夜にはなくなっていた。
誰かが捨ててくれているのかな。
風でとぶような重さでもないし。
でもなくなっているときもあるけれど
ゴミが増えていくときもある。
調子にのってるなとおもう。



2005/08/23(白虎隊の日)線香花火

線香花火は三種類の火薬の配合と
火薬の量、置き方、紙のより方で
内容が決まるのだということと
丁寧につくられた線香花火は時間とともに
かわってゆく四つの火花が散って
順に牡丹、松葉、柳、散り菊の名がついていること
そんな事実を知ったばかりだったので話すと
まるい火の玉が落ちるところに名前はないの
ときかれた。
線香花火ってあれがメインじゃないの
とも言われた。
そんなふうに考えたことがなかったけれど
たしかに線香花火をみつめているとき
そのとき散る火花を見てはいるけれど
心の中ではいつ火の玉がおちるかどきどきしている。
だからメインとも言える気がした。
びっくり。



2005/08/22(チンチン電車の日)のむ

卒業式ぶりに会ったそのひとは
それほど変わってもいなかった。
たぶんわたしもそうだった。
だから会う前は何の話をしようか考えたけれど
実際会ってみれば特に何も考えなくても
いろんなことが口をついて出た。
そういえばいっしょに空を見た時もそうだったな、と
思い出したりした。
とても現実的に、時間とともにすこしずつ
夢に近づいているひとだから
うみのくるしみ、ということばに
重たい説得力があった。
彼の口から語られる事ごとはなんだか妙にカラフルで
わたしの見ているものと
すこし違ってたまにまったく同じ。
花火の話をあしたはしよう。



2005/08/21(噴水の日)ゆめ

変な夢ばかり見る。
それがエスカレートして
ついに明け方目が覚めてからしばらく眠れなかった。
夢なのだと、夢の中でわかっているのに
ふりほどけない。
もどかしい。



2005/08/20(交通信号の日)浅草

念願の鰻を食べに
浅草まで出かけていった。
おすすめの店は繁盛していて
とてもおいしくて大満足。
そのあと隅田川のほとりに行くと
にぎやかに縁日がひらかれていた。
盆踊りも活発に踊られていた。
小さい頃から盆踊りがだいすきなのだけれど
ここ数年はすっかり遠ざかっていたので
うきうきして輪に混ざった。
いつになっても盆踊りはたのしい。
ひらひらと、それぞればらつきながらおどるのに
遠くから見るととてもきれい。
ゆるりとして、おばあちゃんほど
貫禄があってかっこいい。
帰りにはすばらしいチームワークの
おじさん三人組からわたあめを買った。
ひとりはさぶちゃんそっくりだった。
ああ、なんて
おまつりってすてき。



2005/08/19 (警察手帳交付の日)お礼に

弟が急に部屋にやってきて
網戸掃除してやろうか
と言った。
よくわからないけどやったーと思いお願いした。
自分の部屋のを洗ったついでに
わたしのぶんもやってくれたらしい。
おかげで網戸がぴかぴかに光った。
そうしたら雨で汚れた窓が妙に汚く見えて
あわてて窓をぴかぴかに磨いた。
せっかくだから弟の部屋の窓もこっそり拭いておいた。
つまりわたしたちはそれぞれ
自分の部屋の窓と網戸が綺麗になったわけだけれども
たぶん自分で自分の部屋だけをなんとかするよりも
ちょっとだけいい気分かもしれないとおもうのだ。



2005/08/18 (米の日)そのあと

あのとき確かに掴んだとおもった流れが
一晩過ぎてしまうとうそのように
薄まってどこかへ行ってしまった。
目にはやきついて離れないのに
肝心の音が曖昧なんて
とてもくやしい。



2005/08/17 (パイナップルの日)矢野顕子ライブ

すばらしい夜だった。
前に見た時も、その前に見た時も
なんてすみずみまでゆきわたる音なのだろうと
なんてぎゅっとしているのだろうと
思ったのにそれ以上を見せつけられる。
一曲めから涙がにじんだ。
すばらしいひとりひとりの
すばらしいさんにんぐみに
吸い込まれてはなれられない。
そこへ行きたい。
自由になりたい。
すばらしい夜だった。



2005/08/16 (女子大生誕生の日)そのあと

ふたたび大きく世の中が揺れた。
電車も大きく揺れ動き
なかなか思う様にすすまないので
予定を変更して近い場所に買い物にいった。
ひとの買い物を見ているのはたのしい。
ついでにいろいろ買ってしまったり。
買う気持ちのスイッチが入っている時は
いろんなものが欲しく見えるのだけれど
意外と冷静に必要ないものは買わない。
油断していないからかな。
夜はおいしいごはんをごちそうになって
予定が変わってよかったなぁ。



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