2005/03/31(エッフェル塔の日)あつかん

はじめての民芸品屋を訪ねて
とっくりとおちょこをえらんだ。
えらびにいったわけではなかったけれど
そこに行ったら欲しくなった。
あつかんをすすりながら
お酒を注ぎあいながら
未来の話や
すきなおんがくの話をした。
そんな昨日の夜から
今日の夜までぐるりとつながっているみたいな気分。



2005/03/30(マフィアの日)まんきつ

いまだに漫画喫茶に行ったことがない。
たぶんこの先も行かないかもしれない。
行ったひとはみんな口を揃えて
意外といいところだ、という。
だから一度は行ってみたいと思っていたけれど
今日は夜ぽっかりと二時間くらいあいて
店もあまり開いていない時間だし
今こそ漫画喫茶だ!とおもったのだ。
でも入口まで行ってやっぱりやめた。
気が向かなかった。
きっと本心はあまり行きたくないのかもしれない。
よくわかりません。



2005/03/29(マリモの日)

チーズの絵にはいつもまるい穴があいている。
トムとジェリーでも
トッポジージョでも
ぽつぽつ穴があいている。
でもほんとうに見たことはなかった。
だから今日塊のゴーダチーズを刻みながら
面倒さにくらくらしながら刻みながら
絵に描いたような丸い穴があいているのをみて
かわいくて感激した。
面倒だけどたのしみな作業になった。
みせてあげたい、あの穴。



2005/03/28(三つ葉の日)おんがく

おんがくのことをかんがえる。
いつのまにか生まれていたもの
いつのまにか苦しんでいたもの
どうしてこうなったかというと
ただ少し気づいただけなのだとおもう。
呼吸のような
塗り絵のような
きっとそういうのを探している。



2005/03/27(さくらの日)あたらしい家

あの家には19年住んだ。
2DKに四人。
個人の部屋はなかった。
そういえばドアもなかった。
でも特に不便を感じたこともなく
ないならないなりになんとかやってきた。
あたらしい家には部屋がよっつ。
居間には誰の荷物もない。
寝るひともいない。
それは当たり前だけれども
我が家では斬新な事件なのだった。
でもどこのドアも閉められるから
誰がどこにいるのかさっぱりわからない。



2005/03/26(カチューシャの歌の日)プロの仕事

そのひとたちはパンダを身に纏っていた。
靴下にも,上着にも
帽子にもパンダ。
ぱんだぱんだぱんだ。
もううんざりだ。
それにしても実に手際よく荷物たちは
どんどんと運び出されて行った。
そんなものを!という大きさをひとりで抱えたり
一連の動作はきちんと順序だっていて
パンダでもプロだ。
でもパンダ。



2005/03/25(電気記念日)

この家で夜をすごすのも今日が最後
だというのに帰れなかった。
感慨深い気がしていたのに意外と
あっさりとその時間は通り過ぎて行った。
すてきな時間をすごしたからいいのだ。
それにしても明日からここにはいないなんて。
ここに帰ってこないなんて。
エレベーターを降りてから家のドアを開けるまで
目をつぶっても難なく着けるほど
毎日毎日すごしていた家。
ふしぎだ。



2005/03/24(マネキン記念日)だらけ

準備も佳境にはいる。
家中パンダだらけなのだった。
その引っ越しやさんのトレードマークは
かわいくない目のきらきらしたパンダで
段ボールを部屋に積み始めたら
そこらじゅうパンダになってしまった。
のぞんでいないものがたくさん視界に入るのは
おもったよりずっときびしい。



2005/03/23(彼岸明け)とぶとぶ

すこし早起きしてしだれ桜を見にいった。
けれどもまだ全然咲いていなかった。
でも枝をみるだけでもかなり立派だったし
なによりあんなに真剣に咲いていない桜をみたのは
きっと初めてだった。
今日はしとりしとりと降って
やわらかい雨がすてきだった。
お茶とお菓子をいただきながらふと池を見ると
鴨がばっさばっさと飛んでゆくのがみえた。
鴨ってあんなにしっかり飛べるんだ!
と思ったけれどよく考えてみたら
渡り鳥だったような気がする。
これもまた初めてだった。
あたまがずいぶん重そうだった。
なんだかちょっとうれしいものをみた。



2005/03/22(世界水の日)バランス

ゆらゆら、ゆれて
日々がつまってゆくとバランスが崩れる。
余裕がなくなる。
あそんだり騒いだりする時間も大事で
だけどそれはそれとして
ぼうっとする時間はやっぱり
絶対必要だ。
とちゃんとわかっているのにいつも
気がつくと隙間がない。



2005/03/21(ランドセルの日)さらなるかなしみ

部屋の中に割れものなんて
ほんのわずかしかないのだ。
それなのに、ちょっと油断したら
小さな棚が倒れて
大事にしていたものがひとつ、割れた。
その棚には大切な思い出の品がひとつ
お誕生日にもらったものがひとつ
自分で買ったけれどお気に入りのものがふたつ
飾ってあった。
割れたのは自分で買ったものだったから
かなしいけれどまだよかった。
引っ越しまであと五日。



2005/03/20(太陽の日)かなしみ

ついにこの日が来た。
片側折れた指輪にとどめを刺してしまった。
もうあれをはめることは出来ない。
あまりにもかなしい。
でもほんとうは今日たくさん良いことがあった。
鎌倉の骨董市に行ったら
豆腐屋さんの豆腐コロッケとおからケーキがとても
とてもおいしかったし
途中でよくできた看板を三枚見つけたし
お昼ごはんもおいしかったし
にこにこ歩いたし
日曜日らしくのんびりもしたし
夜バイトに行ったら普段は食べられない
デザートにありつけたし
まかないもだいすきなメニューだったし
そうだそうだ。
そんなにかなしくないぞ。



2005/03/19(ミュージックの日)みたび

またまたピンクのおじさんを発見。
これで三度目だ。
ウサギの耳もミニスカートも白タイツも健在。
少し前に別の駅でピンクおじさんの
仲間かもしれない別のピンクおじさんを見たけれど
やっぱり本物はすごいのだった。
そうだ。
あのひとはあまりにスカートが短くて
おしりが丸見えなのだった。
白タイツはいているけれど丸見え。
あまりに目立つからみんな露骨に
そのひとを3秒くらいは見つめる。
わたしも見る。
あんなに見られながら颯爽と歩いているから
あのひとはあの視線たちがたまらないのだろう。
うん、きっとそう。



2005/03/18(精霊の日)秒読み

気がつけば引っ越しが間近。
なんと来週の今日。
一週間。
ずっとずっと先だとおもっていたのに
もうこのおうちに住むのもたったそれだけ。
たのしみだけれどやっぱりちょっと
名残惜しいなぁ。
それにしても保険証のちからはすごい。
7割分の治療費がもどってくるなんて。
むしろすごく得したような気がしてしまう。
よく考えれば得でもないのだった。
病気なんかしないほうがいい。



2005/03/17(漫画週刊誌の日)くすりゆび

第一くすりゆび終了。
四人してひきしまってのぞんだ今日。
たくさんのあたたかいひとたちと
あたたかいことばと
おんがくと
えがおと
いろんなものをまた貰った。
とってもたのしかった。
またくるその日まで、いっぱい
いっぱいちからを溜めるんだ。



2005/03/16(十六団子)くすり

ちょっとくすりの悪口を言ったら
ちょっと反撃されてしまった。
やっぱりくすりが必要なときもある。
謹んで恩恵をうけよう。
でも油断しないぞ。



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