2004/07/31(こだまの日)入道雲

圧倒的な空はこのところよく顔をだす。
虹がでるかな、なんておもってみたけれど
結局あめはふらなかった。
あのもくもくには不安になったりする。
不安をかきたてられたりする。
それにしてもホテルの名前に
「ニュー」がおおいのはどうしてだろう。
そんなに期待してないよ。



2004/07/30(明治最後の日)とまれ

おくれてくるなみだには
いろんなものが加味されて
あふれるころにはもとのかたちを忘れてしまう。



2004/07/29(凱旋門の日)クラブにて

ひさしぶりに自分のおもうところから
はるかかなたのたたかいになった。
やりたいことがひとつもできないなんて。
その場所にさえ立てないなんて。
どんなことにもびくともしない
強靭ななにかがほしい。



2004/07/28(菜っ葉の日)共有

たとえばものいわぬ背中の特別さだったり
月や花や空や風をおもうこころだったり
昔はもっと虹が見えたって記憶だったり
坂の上にみえるはずのものであったり
ひとつひとつはささやかだけれど
それぞれ偶然にも同じにおもっているもの。
そんな四人だからこそ
しあわせにおもえることが増える。
やってみたいことがある。
ここにいたいとねがう。



2004/07/27(スイカの日)くりかえし

くりかえしくりかえし。
それでもすりぬけてゆくものがある。
迷うこころでは役不足なのだ。
でもすこししあわせなきもちで
明日がくるのをたのしみにまつ。



2004/07/26(日光の日)ものづくり

いろいろなうろうろをくりかえして
またひとつ出来上がった。
決まらなかった最後のことばの
ヒントはやっぱりみんながくれた。
わたしがしているのはほんのささやかで
じぶんたちが奏でるための音波を探すばかりだけれど
それでもこうしていとしいとおもえるものを
つくれるのなら。
それはしあわせなことなのでしょう。



2004/07/25(かき氷の日)矢野顕子ライブ

こころをぎゅっとつかまれて
息が苦しくなるような
それでいて羽根が生えてとんでいくような
きらきらした音をならべて
あのさんかくにはたくさんの愛がつまってる。
ふわふわで力強いピアノとうたと
うたっているみたいなベースと
全部つつんでしまうドラムと
それがみんなくっつきあって
たまらなかった。
いきなりあのイントロが鳴って、どうしようかとおもった。
あんなにいつまでもいつまでも鳴り止まない拍手は
初めて聴いた。
うねるような拍手。
あんな三人になりたいよ。



2004/07/24(劇画の日)山手日記

坂道にいたかった。
そうして風にふかれたら、なにか
みつかるかもしれないとおもった。
写真を撮るそのひとはあいかわらず
急なタイミングでたちどまってシャッターをきる。
すりぬけてしまわないように。
ときにはおなじものを、ときには考えもつかないようなものを
ふたりして撮ってはあるく。
ぎらぎらの太陽にさらされるほど
木陰の涼しさにうれしくなる。
途中すれちがった小学生の男の子の
「おれ最近国産には興味ないんだよー」
ということばに首をかしげる。
浮かんだことばをかきとめる。
わたしはたくさんのなにかに触れた。
あのひとの役には立ったのだろうか。



2004/07/23(文月のふみの日)扇風機2

それにしても扇風機って
存在に対して名前が妙にいかつい。
扇風ってなんだかちからづよいことばなのに
役割はわりとソフト。
でもかなりたすかっているよ。
だいすきせんぷうき。



2004/07/22(下駄の日)ことばさがし

すなおなことばを書きたいの。
坂道をすべりおりる風のようなことば。
きっとそれが似合うとおもうから。
きらきらとまぶしい音に
ゆらゆらとうめいな声に
ぴったりのがかならずどこかにある。
それにぱたりと出会えたらとても
今よりもっと。



2004/07/21(自然公園の日)20数年

うちにあるギターの弦を張り替えた。
わたしが生まれるよりまえなのだから
すくなくとも22年は放っておかれていたギター。
新しい弦はぴかぴかで
もと張ってあった弦の黒さにおどろく。
見様見まねでの作業はそれでも
なんだか集中してしまって
ギタリストにはあたりまえの行為なのだろうけれど
とても新鮮でいとおしく思えた。
次はもっとちゃんとした弦を買って
大事につかってあげたい。



2004/07/20(月面着陸の日)扇風機

ようやく扇風機をひっぱりだした。
39.9度なんてひどすぎる。
どっちにしろクーラーは避ける方向でゆきたい。
からだがついていかないもの。
それにしてもあたまのなかで
歌詞をつけるべき曲たちがふわふわとただよって
まざりあってどこかへ行ってしまいそう。
締め切りはちかい。



2004/07/19(北壁の日)すいか

この夏はじめて、どころかよく考えたら
数年ぶりに食べたすいか。
夏をかんじて、水をたくさん含んで
あかくてあまくて
絶対お行儀よくたべられないし
そうじゃなきゃおいしさ半減だし
すいかって果てしない。
今日はこの夏初花火もしたので
季節感を満喫。



2004/07/18(光化学スモッグの日)相棒

あのふたりはきっと、相棒どうし。
つくもはなれるも自由自在。
みてなくたってわかっちゃう。
どんなきもちで、むかいあって
音をなげあって、わらいあって
いるのだろう。



2004/07/17(漫画の日)炎天下

気が遠くなるくらい暑いグラウンドの脇で
いろいろなものをみた。
なげること。はしること。さけぶこと。
うつこと。たたえること。わらうこと。
そこに立つひとびとのさまざまな思いが
交錯している空間。
もっといろいろ隠し持っていそうで
草野球ってすごい。
そして飲んだビールは今まででいちばん。
つきない話を延々としながら
ああ、今日は予定をひとつあきらめてしまったけれど
とてもよい休日だった。



2004/07/16(外国人力士の日)虫の息

聞いた話によると虫は
息をしているけれど息をとめることができないらしい。
だから水攻めによわいらしい。
ふーんと一瞬納得しかけたけれど
なんだかちょっとぴんとこない。
なんだろう、息を止められない感じが
じぶんでつかめないからかなぁ。
息を止められないと困ることってあるかなぁ。
どうやって虫が息を止められないことを
確かめたのかなぁ。
どうしてそんなことあえて確かめたのかなぁ。
だいたい息してるかどうかがわからない。
疑問はつきない。



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