2004/05/31(世界禁煙デー） 本をよむ

本をよむときはなるべくひといきで読む。
そうすればとけこめる。
はじまりはすこし違和感があって
あらわれるひとびとが皆ぎこちなく
でもそのうちにだんだんと
見えなかった絵がみえてくる。
いつのまにか透明な自分がそれを眺める。
近づいては眺める。
どこか一部に流れ込んだりする。
さっきまでいたそこは静けさと
痛いようなやさしさにみちていた。
ルートがすべてをつつみこむ魔法のような存在なのだと
いままで考えもつかなかったわたし。



2004/05/30(掃除機の日） 路上

バイトを終えて18時に外に出ると
すっかり日が延びて明るくて
青空がみえていた。
そこへ強い風とともにまっくろな雨雲が
すごい勢いで流れ込んできていた。
その光景に圧倒されながらも歩いていたら
むこうから歩いてきたサラリーマンぽいひとが
あの、と声をかけてきた。
「あなたの顔にいま、ナントカ相がみえたんですけど
最近なにか変わったことありましたよね。」
というのだ。
ありましたよね？
どうしてきっぱり言い切るの。
変わったことってなんだよ。
なぜそんなこと通りすがりに言うの。
せっかく。せっかく。
いろんな思いがうずまいた。
ナニ相って言われたんだっけ。
あーあ。



2004/05/29(こんにゃくの日） あれっ

からだがどこも痛くない。
昨日はたくさん振りまわしたのに。
ボウリングをするときもバッティングをするときも
たまに、すごく集中できて研ぎすまされて
ピンしか、ボールしか見えないような
自分が自分じゃないような感覚におそわれるときがある。
そういうときは大抵よい結果がでる。
何回も練習をくりかえして、
あの感じを上手につかまえられるひとが
その道を極めるのではないかなぁ。



2004/05/28(花火の日） たんたかたん

一時期しそ焼酎にはまったときがあって
そのとき一緒に飲んだひとに何気なくすすめたら
おいしいと言って飲んでいて少しうれしかったのだ。
そのひとはそれからもその焼酎がお店にあると飲むらしく
それをみた周りの人も飲んでおいしいと言ってその後
ボトルで買って愛飲しているひともいるらしい。
なにげないおすすめが
だれかにちいさなしあわせを分けたのかとおもうと
すこししあわせだ。
食べるのも飲むのもしあわせだもの。



2004/05/27(百人一首の日） 素足

ひさしぶりにサンダルを履いてみた。
あまりに夏のにおいがするから履いたのに
サンダルのせいでますます夏くさかった。
ひさしぶりにマニキュアも塗ってみた。
ひさしぶりに電車で足を踏まれた。
相手は革靴だった。
これだから素足むきだしはこわい。



2004/05/26(ル・マンの日） 執念

わたしはさくらリキュールをさがしている。
もうずいぶんずるずるとさがしている。
でもないのだ。
どこかにでかけたら必ず酒屋に入る。
でもないのだ。
それはもう大変な情熱をそそいでさがしている。
でもないのだ。
見つけたらすごく感動するのだろうな。
こういうとき自分は結構執念深いのかなぁとおもう。



2004/05/25(広辞苑初版発行の日） 写真

写真はとるのもみるのもすきだ。
先日友人が撮った写真をみせてもらったら
偶然、うちの近所がうつっていた。
とくにめずらしくもない二股の道路。
電車の中から通りすがりに撮ったのだそうだ。
たいした特徴のない場所でも
しょっちゅう見ている景色ってわかるものなんだ。
しかもわたしが電車に乗っても同じ景色がみえるから
あ、ここここ！
って新たなたのしみができた。



2004/05/24(ゴルフ場記念日） がっかり

がっかり。
言われてこんなにかなしいことばって。
がっかり。
あーあ。



2004/05/23(ラブレターの日） につまる

どこかでひとつ、うたうたびに
いろんなことが起きる。
思いがけないひとと出会う
しごとみたいな顔をする
ともだちのともだちに出会う
かんがえる
かんがえる
またあたらしいちからがくわわる。
手応えがあるのはしあわせなことだけれど
わたしはまだみつけていないんだ。
ひっさつわざ。



2004/05/22(国際生物多様性の日） ねらい

なにかが狙い通りにうまくいくと
してやったり！といいきもちになる反面
なんだかがっかりしたような腑に落ちないきもちにもなる。
どうしてかなぁ。



2004/05/21(リンドバーグ翼の日） さくら

季節外れの台風が去って
今日の空は格別だった。
だんだんと蒸し暑い空気がただよって
わたしのすきなさくら味もひとまずおわる。
さくらもち、さくらアイス、さくらリキュール
さくら味って何の味なのか
よくわからないけれどすきだ。



2004/05/20(森林の日） まめ

左手にマメができた。
すごくひさしぶりの鈍い痛み。
なにかにつけてちょっと痛いのがなつかしい。
たまにはこういうものがあってもいいとおもう。
べろんと剥けるくらいひどくしちゃってもいいかも。
もっともっと振るぞぉ。



2004/05/19(ボクシング世界チャンピオン誕生記念日） あっ

うれしいことがあった。
知り合いにTシャツを作っているひとがいるのだけれど
今日横浜を歩いていたら
そのひとがつくったTシャツを着て歩いているひとがいた！
今まで身内が着ているところしかみたことなくて
全然しらないひとがそれを身につけているなんて
なんだかほくほくした。
ああ、すごいな。
どんな気分なんだろう。



2004/05/18(18リットル缶の日） こえ

高くなってもいたくなくて
低くなってももこってならない
そんなこえがだせる日が
いつになったらくるのだろう。



2004/05/17(パック旅行の日） きえた

今夜。
川崎の駅からホームレスたちが消えた。
あんなにたくさん、ならんで眠っていたのに。
今日からとりしまりがきびしくなって
荷物も全部どかされていった。
いてほしいとおもうわけではないけれど
彼らはどこへ行ったのだろう。



2004/05/16(旅の日） 社長の夢

社長はたまに夢の話をする。
一年半に一回くらいする。
ほろ酔いだとする。
その話をきくとわたしは
小学生のとき同級生の男の子が
「将来の夢は社長になること！」と
言っていたのを思い出す。
すっごいでっかい夢だ、と思ったのを思い出す。
社長は大人で、そしてすでに社長だ。
あのときのあの子もいつか社長になったら
その先に別の夢が見つかっているのだろうか。



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